Kikoh Matsuura | Kiseki Kikoh Matsuura







この作品では、作家自身のゲノムの全塩基配列、約30億塩基対を映像に変換し、またその映像を基に音を生成している。この「変換」と「生成」のプロセスは、生命の根源的な現象であるセントラルドグマの「転写」と「翻訳」を表している。セントラルドグマは、私たちの身体が形作られ、正常に機能するための設計図のもとであるDNAの遺伝情報が、タンパク質となる情報を保持したり、産生するタンパク質の量を調整するRNAへと「転写」され、RNAからタンパク質が合成される「翻訳」までの過程を指す。ゲノムは生物の全遺伝情報であり、私たち生命が生命の起源から約38億年にわたって続いてきた歴史と、私たちがその歩みの末端に存在していることを物語っている。これらは私たちが個別の存在でありながら、生命のネットワークに繋がり合っていることを示している。
ゲノムの膨大さと生命根源の現象を表現した映像と音の繊細で断続的な変化が絶え間なく続き、その体感を通じて、自身の存在の根源に触れ、生命38億年の歴史と私たちの時を刻み、そこに立つ私たちを再認識させる。











2023.8.11-13 Tokyo Tower
ファイザー日本法人 創立70周年記念イベント / Central Dogma: Science art depicted by the roots of life