「Sounds from Atoms」


人、物、生き物、地球、そして宇宙
原子が紡ぐ万物の響き
現代は、大量生産・大量消費が進み、さらに人工知能の発展などによって、人、物、(ひと以外の)生き物の関係が新たな局面を迎えている。 人が物や生き物を認識する時、視覚や触覚が主に使われることが多い。ここで、物や生き物の理解を広げ、人との関係性を再構築するために、 我々は、物や生き物の構成要素である各原子の持つ固有のエネルギーに基づく周波数と原子直径を用いて定めて音を創り、聴覚から認識する方法で、 各原子を表現する。この方法で、全ての物や生き物を音で表現することが出来る。我々の世界を構成する物や生き物から創った音を感じてもらい、 人、物、生き物さらに地球や宇宙などとの関係を再考して欲しい。

原子は、原子核と電子から構成されている。各電子は、原子それぞれ固有のエネルギー状態を持つことが出来る。我々は、 各原子固有の電子が持つことが出来るエネルギーの物性値を用いて、音の波長を定めることとした。今回採用したのは、 各原子が持つ電子準位と伝導帯とのエネルギー差である。このエネルギー以外の物性値を用いることも可能であるが、 各原子の固有の特性を持ちつつ、データの信頼性や豊富さなどが満たされるものとして、このエネルギーを採用することとした。用いた値は、元素番号が1から92までの元素については

http://pfwww.kek.jp/sxspec/sx/edgetable.html
に示されている物性値を用いた。K(1s), L3(2p), L2(2p) ,L1(2s), M5(3d), M4(3d) ,M3(3p) ,M2(3p) ,M1(3s)の値を用いている。元素番号が93から103までの元素については

http://www.chembio.uoguelph.ca/educmat/atom
に示されている物性値を用いた。K(1s) , L3(2p), L1(2s), M5(3d) , M3(3p) ,M1(3s)の値を用いている。これらの各数値に、以下を参考にした各原子の直径

原子番号1~89:
http://www.ibo.org/globalassets/publications/
原子番号90~97:
https://ja.wikipedia.org/wiki/
原子番号98~103:
Dulal C. Ghosh and Raka Biswas, Int. J. Mol. Sci. 3, 87-113 (2002)の理論式から計算

と人間の身長の世界平均(167 cm)
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_average
の比を乗じると、可聴域の周波数となる。原子と人間のサイズ比を用いて、波長を変換することについては、物理的には飛躍した方法であるが、ここでは想像的な方法として採用した。 各原子には複数のエネルギーが存在するが、これらを用いて複数の音を作り、それらを混成することで各原子の音としている。

原子
固有のエネルギー差

伝導帯

電子準位

人間
この方法で、各原子の音が決められる。さらに、各原子から構成される物質の音については、これらの音を用いる。 各物質内部の原子配置を用い、x軸は[100]方向、y軸は[010]方向、z軸は[001]方向としている。xy平面に存在する元素の音が出力され、xy平面をz方向に走査している。
この時のテンポは0.5 nm/sとしている。パンは、左右(X)、 前後( Y)としている。尚、サラウンドにした場合のみ効果が現れ、 PCやヘッドフォンなどステレオチャンネルで聞く場合は効果がない。音が出力される時間は、原子直径を採用し、音量は、物質の各サイトの占有率を用いている。以上の方法により、各物質の音が創られる。
SOUNDS FROM ATOMS
by Kikoh Matsuura, Taketoshi Minato
LSA (The Light Unit for the Liaison between Science and Art, Kyoto University)
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